金曜の夕方。突然の異動内示。
担当していたサーバー管理業務を、来週月曜には別の人間へ渡さなければならない。
「報告書は残してある。でも、あいつに全部説明する時間はない」——
そう思いながら退勤した翌週の月曜日。引き継いだ担当者から、最初の連絡が来る。
「SSL証明書のエラーが出てるんですが、どのファイルをどこに置けばいいか、報告書だけじゃよくわからなくて……」
これは、どこの会社でも起きている光景だ。
問題は、担当者のスキルでも、報告書の質でもない。
**報告書は”保存”されているが、”答えてくれない”**のだ。
PDFを開いて、ページをめくって、該当箇所を探して、読んで、解釈して——その作業だけで30分が飛ぶ。そして「この手順の前後に何かあったかな」という疑問は、もう前任者に聞くしかない。でも前任者はいない。